うつ病とは精神的な病気として広く知られていますが、実際に自分がうつ病に罹ってしまうと戸惑ってしまうものです。
うつ病になると、何をするにも気力が湧かず、食欲や不眠症にも陥る為、一般的な日常生活を送ることすら困難になります。
とくに社会不適合者の方にうつ病は多いといわれることもあり、近年では社会問題として取り上げられることも増えました。
うつ病は、ただでさえ心身ともに不調な状態にもかかわらず「今後の生活をどうしていくか?」を検討する必要があり、精神的にかなりの負担がかかります。
そこで今回は、もしうつ病と診断され診断書をもらった場合、その後の流れについていくつかの例をご紹介しようと思います。
第一に休養することを考える
鬱病に最も有効な治療法は「休むこと」です。主治医の指示をよく聞き、それに従った治療と休養をとることが何よりも大事です。
その為、鬱病と診断されたら、会社に対して数ヵ月の休職を申請することが一般的です。
そこでまずは「診断書」を発行してもらいましょう。
診断書には、ご自身の病状や、回復のために主治医が判断した業務配慮の内容(休職の必要性やその期間など)が記入されます。
その診断書を会社に提出し、書類に記された業務配慮の内容を受け入れてくれるかを相談してみてください。
なお、診断書は主治医に申し出れば発行してもらえるものですが、会社によっては、会社側で作成した形式の診断書があるかもしれないので、鬱病と診断された当日に病院へ診断書の発行を申請するのではなく、会社に一報を入れ、確認しておくといいでしょう。
今後も今の会社で働くか
鬱病は「心の風邪」とも言われていますが、実際の風邪のように数日から数週間で治るものではありません。
症状の重さや個人の体質、適切な治療を受けているかに依りますが、半年から数年単位でようやく症状が軽減するのが一般的です。
完治となると、さらに長期的な治療を覚悟しなければならない場合もあります。
また鬱病の治療は服薬治療を受けることが一般的ですが、個人の体質や薬の副作用によっては意識がぼんやりとしたり、眠気に襲われたりする場合もあります。
また、鬱病は”波”があり、心身の調子が良く快方に向かっていると思いきや、ある時突然気持ちが落ち込んだり身体の不調が現れたりすることもあります。
その為鬱病になった際は、上記で挙げたような事情を抱えながらも仕事ができるのか、現職を続けられるかを考える必要があるのです。
働き方を変える方法として辞職や転職もありますが、もし現職を続けたい場合、時短勤務に切り替えたり週の出勤日数を減らしたり、自宅でも働ける環境が揃っているのであればリモートワークにしたりなど、従来の働き方を変えることで少しでも自宅療養をする時間を増やすことも方法のひとつです。
しかし実際にそういった柔軟な対応が可能なのかは、主治医の判断や会社によって異なります。
「自分はどうしたいか」をゆっくり考え、相談を踏まえてから次のステップに移ることをお勧めします。
働く以外の進路も検討する
「キャリアブレイク」という言葉をご存じでしょうか。
最近注目されつつある言葉で、離職し一時的に雇用を外れてフリーの身になることで、療養をはじめ、趣味や留学、勉強、子育てや介護など、仕事以外の時間に充てる期間のことを言います。
もちろん雇用から外れることで、金銭面の懸念がありますが、うつ病の診断結果や発症原因によっては会社から傷病手当金が支給される場合もありますし、雇用保険に加入していたならば失業手当も支給される場合もあります。
その他にも、症状によっては、お住まいの市役所で申請できる手当があるかもしれません。
これらをうまく活用することで、当面の間、金銭面を気にせず働くことから一時的な離脱を試みることができます。
人生の過ごし方は働くことだけではありません。
趣味を極めたり、興味のあることを追求したり、起業したり…と様々です。そういった仕事以外の生き方も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
おわりに
以上が、うつ病と診断された後の流れについての例でした。
うつ病に罹ると「自分のメンタルが弱いから鬱病になってしまったんだ」と自責的に思ってしまいがちですが、それは誤解です。
うつ病はメンタルが強い弱いにかかわらず、誰でもなり得る病気です。
うつ病に罹ったことをネガティブに捉えず、むしろチャンスと受け入れて、これからの生き方を見直す好機にしてみてはいかがでしょうか。
その為に、この記事が参考となりましたら光栄です。