本当に疲れた社会不適合者にこそ読んでほしい3つのこと

 

毎日毎日会社と自宅を往復する日々の中で、「仕事がうまくいかない…」「思ったような成果が出ない…」と仕事に思い悩んでしまい、疲れを感じてしまっている方は多いのではないでしょうか。

どの業界でも日に日に業務内容が複雑化しているのが現状です。
そんな環境の中で働き続けることで、業務内容についていけず、「自分は何もできない社会不適合者だ」と思い詰めている方もいるかもしれません。

実際、警察庁統計によるデータによると、令和に入ってから”勤務問題”を理由に自殺する人の数が2021年までは2,000人を下回っていましたが、翌年の2022年には2,968人、2023年には2,872人と急激に増えています。
それほど日々の仕事に悩まされ、疲弊し、思い詰めている人が多いと言えるでしょう。

そこで今回の記事では、そんな疲れ切ってしまった現代の社会人の方にこそ読んでいただきたい、3つのメッセージを送ります。

 

疲れたら休んでもいい

仕事に疲れたら、当日だけでも、あるいは有給休暇や休職を申請して長期間でも休むべきです。
そのように言われると他人からの無責任な発言のように聞こえますが、実は、労働者には「自身の健康を維持するために主体的な努力をしないといけない」という責務があります。

これは「自己保健義務」というもので、労働安全衛生法にて規定されています。ですので、心身に異常をきたす前に自ら進んで療養すべきです。すでに何らかの異常や症状が発生したら、なおのこと早急に対処しなければなりません。

しかし法で決まってはいるものの、"努力義務"であるため守らなくても罰則は有りません。
だからといって無理をすると精神的にも体力的にも消耗してしまい、事故やケガの原因に繋がったり、病気にかかってしまう可能性が高まります。

よく耳にする「鬱病」はその病気のひとつで、一度罹ってしまうとすぐに完治することは困難です。
症状によっては完治までに何年何ヶ月とかかる厄介な病気です。

そういった事故やケガ、病気をきっかけに、仕事に復帰できず辞職に追い込まれてしまったり、社会復帰すら困難な状態になってしまったりしては本末転倒です。
そうなってしまう前に、疲れを感じたらその程度に応じて十分な休養期間を確保しましょう。

もちろんそのためには会社へ相談する必要があります。
相談するのは勇気がいることです。しかし、実は会社側も「労働者の安全と健康を守らなければならない」という規定があるので、相談に応じなかったり、労働者の心身の異変を見落としたり、その結果労働者がケガをしたり病気にさせたりするまで追い込んだ場合、法により罰せられる可能性があります。
なので、会社側は、労働者側が心身の異常を申し出た場合は、何らかの対処を施す責任があるのです。

ですので「会社に迷惑をかけてしまう…」などといった遠慮は必要ないのです。
大事に至ってしまう前に、会社に相談して十分な休養をとってください。

 

同じ"社会"にとどまる必要はない

「社会」と聞くと"世間"や"日本全体"といった範囲の大きなものを感じるかもしれませんが、語義的には、人が集まれば「社会」が出来上がります。
なので、友達グループや家族、会社など、人の集団の分だけ「社会」が存在します。

「自分は社会不適合者かもしれない…」と不安に思っても、その「社会」は現在属している集団のみを指しており、そこに馴染めないというだけかもしれません。
もっと視野を広げてみれば、あなたを受け入れ、あなた自身も心地よいと思える「社会」がどこかに存在しているはずです。
それがどこにあるかを探し、そこで過ごすことで心の平穏が保たれるかもしれません。

具体的には引っ越しや転職、海外移住などです。
北極には北極の動物が、サバンナにはサバンナの動物がいるように、環境に適した場所を探し、そこで生きることはごく自然なことです。
「自分は社会不適合者だ」と感じても、自責的にならず、まずは"社会"という環境を変えることを検討してみてはいかがでしょうか。

 

"不適合"であることの特権

先述した通り、「社会」は人の集団の数だけ存在します。
これを踏まえて考えてみると「社会”適合”人」は、特定の集団の中で馴染むことはできるものの、その集団の中でしか活躍できない人とも捉えられます。

一方で「社会"不適合"者」は、他の集団で活躍できる可能性がある、つまり集団という環境さえ変えれば伸びしろがあるという風にも言い換えられます。
そういう意味では「社会不適合者」であることは未知数の可能性を持った人材を指す言葉ともいえるでしょう。

もちろん、企業側としては即戦力となる人材が求められることが一般的です。
そういった人材になるためには、自主的な挑戦や努力をしなければ、仕事で役立つ実践的なスキルや能力はつける必要があります。

そのため「社会不適合者である」という自覚を持つだけで何も行動しないままでは状況は変わりませんが、「いま所属している"社会"にはなじめなくても、他の"社会"では活躍できる人材になろう」と前向きに捉えて努力することで、あなたを迎え入れてくれる”社会”の範囲がグンと増えるはずです。
つまり「社会不適合者」であることは、そういった挑戦のチャンスを与えられた人間であるということなのです。

その特権を利用して、自分の得意なことや興味のあることを重点に磨きをかけるのはいかがでしょうか。

 

おわりに

以上が、本当に疲れた社会不適合者だけに読んでほしい話でした。
目先の仕事や生活が辛くても、人生は長く、世界は広いですから、いつかどこかであなたを迎え入れてくれる"社会"に出会えるはずです。

そのために、休めるときにしっかり休んで体力を温存し、ここぞという時に頑張れるようにスキルを磨き上げておきましょう。